街中探検隊


ぼ、ぼ、僕らは街中探検隊!
と歌うわけではないけれど、僕たちは街中探検隊という使命を長老から預かった。
最近僕たち、ネズミたちにとっては移住問題が深刻化していた。
何せこの島国は綺麗とは言いがたいが、ネズミ駆除などの薬品があるらしく死に逝く仲間が多くいた。
そして街中探検隊は薬がありそうな場所を徹底的にマークし死んでいくものを最小限にとどめようとする使命がある!
まあ、捜査中に死んでいく奴は多数に上るが(実際父もそうだった)それで多くの仲間を救えるのなら本望だ!
そういうのりでなければこの隊員は務まらないぞ!!

「ねえ、ねずみさん」
ある日猫に話しかけられた。
この猫はこの家の住人、ミーナさんだ。
昔猫はネズミを食べたというがこのミーナさんは僕たちを食べない。
というか食べる必要がないんだ。
いつも主人に「こうきゅうきゃっとふーど」というものを食べさせてもらっているらしい。
まあたまに本能に逆らえなくて僕たちを甘噛みするが、情報提供者には敬意を払わなければいけない。
それが街中探検隊の掟である。
それにしても・・・それは止めてくれ!!あまがみでも大きなものにかまれるのは恐怖だ!と叫びたい!!
街中探検隊も結構辛い・・・。
「何でしょうかミーナさん」
ミー名さんは何も言わずにちょいちょいと爪の先で部屋の角をさした。
普通の部屋の角のようだ・・・、いや!違う!!
部屋のそばには「段ボール箱」が置かれていた。
そしてそのそばには異臭が立ち込めている。
下手をすればそちらに引きこめれそうな異臭が・・・。
僕は必死で逃げ出した。
おそらくあれは・・・毒団子!!

解説しよう
毒団子とは甘美な香りでネズミたちを惑わし、あれよあれよという間に気がついたら食べているという魔性のアイテム。
あれを食べると死に至るため、ネズミたちの間で恐れられている。
毎年に何十匹かは必ず毒団子の餌食になる。

いやはや参ったよ。
よく毒団子の魅力に勝てたな〜。
いいぞ!自分!って褒めてやりたい。
まあ結構ハードだけど少しがんばれば女の子にもてるし・・・いや、これは些細な事で本筋はみんなの安全を守る義務を果たせるというとこに・・・。

「ねえ、まだ終わらないの〜?」

あ、まっててね、キャリー。もうすぐ終わるから!
危険は多いが人を救うというのはなかなか快感である!!
さて、少しでもこの街中探検隊のことが分かってくれたかな?
では、すぐにここにサインと拇印を!!
え、その前に名前教えろって?
ミーナさんが教えてくれたじゃないか。
何言ってるんだ?君は?
まあ、いいや。
ぼくのなまえは・・・

ネズミだ!

あ、なんだい、そのしらけたような顔は!?
え、なんでもないって・・・じゃあなんでもなくないような顔をするなよ!
あ、隊長、ご苦労さんです!
あ〜ごほん!!
では君もこれで街中探検隊の一人だ!!



「ねえ、隊長・・・」
「・・・なんだ。副長・・・」
「これで来ますかね〜?新入隊員」
「・・・どうだろうな・・・」
「何しろこのごろ人員不足ですからね〜。死ぬくらいなら移住したほうがましだってネズミが多いですから・・・」
「・・・ただ単に一番若いという理由でキャンペーンボーイにネズミを出したのは間違っていたのか?」
「ええ、判断ミスですね。やはりこのテープでは人は集まらないかと・・・」
「よし、この企画は中止だ!今すぐ隊員をあつめて今後について話し合おうではないか!」
「そうですな。ではこのテープは処分します」

こうしてネズミの初仕事であるPRテープは闇に葬られた。


〜END〜

あとがき
ささめゆきさんに捧げます。「ネズミが主人公で冒険もの」・・・スイマセン!!リクを完璧外しています!!動物が主人公・・・初めて書きました。まあ、短いのはネズミさんが小さいからだということで・・・、それでは!!!(逃走を図りました)
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